あえて夢を粉砕します!生まれて初めてのIターン? 蕎麦屋開業? 地獄を見ます!

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自分の趣味は蕎麦打ちであり仲間や近所の評判も上々だ。定年になって会社を退職したら田舎へ行って蕎麦屋を始めたい。絵に書いたような話であり成功する人がいるのは確かですが、大多数は大失敗!で待っているのは地獄なのです。

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定年後開業を否定する5つの理由(1〜2)

ビジネスパーソンとして定年後も、持てるノウハウを生かしてコンサルティングやアドバイザーとして他の会社で働くことができればそれはかなり恵まれているといえますし、嫌いな業界・仕事でなければ歓迎すべきです。

しかし、自営業を始めるとなると話は別。

特に飲食業に憧れた日曜蕎麦打ちお父さんは極めて危険な存在だと言えます。

理由1:商売を知らない

実家が自営業でその跡継ぎというのは別にして、たかが趣味で作った蕎麦やパンの評判が良いからといって、いきなり客が来るわけではありません。

ビジネスパーソンは大きな組織の歯車であることには慣れていますが、自分自身が商売することに対しては全くの未経験・無知なことがほとんどでしょう。

退職してから数年くらい蕎麦屋に弟子入りして技のみならず商売のノウハウも学び、業界での人脈を作ったりすれば別ですが、去年まで会社の管理職であったビジネスパーソンにそんな情報や技・人脈があるはずもないです。

・自分の技量が開業に値するレベルに達しているかどうか客観的判断を得ているか?
・開業すればなんとなく客が来ると思っていないか?
・開業する場所に憧れているだけではないか?
・開業資金だけではなく黒字転換するまでに赤字を穴埋めする十分な資金があるか?
・コロナなどの感染症が拡大したときに即打ち止めになる恐れはないか?

ま、無理でしょう、普通は。

理由2:技量天狗の恐れ

蕎麦でもパンでもいいですが、休日に蕎麦打ちとかパンを焼いて近所の皆さんに配ると褒められる。

そしてお世辞に「これなら商売してもやっていけるわよ!」と何度か言われると、その言葉が頭にのこってだんだんその気になっていく。

仮に腕前がプロとして恥ずかしくないレベルにあるとしても、店主の愛想が悪い店は流行りません

気むづかしい店主のラーメン屋がはやるなんてのはかなり卓越した腕を持っているからでありまして、普通はあり得ません。

蕎麦の味は並だけど、あの店主と話をするとなんか嫌なこと忘れるし希望が湧いてくる、店主と話ができるなら味は並でも毎日通うぞ!

やや極端ですが、これくらい他人から人望のある人、始めて会った人でも「この人のお店にまたきて言葉を交わしたい!」と思ってもらえるような人であれば、大抵の商売は間違いなくうまくいしファンがすぐにできていろいろ支えてくれるでしょう。

接客商売は一にも二にも人格・人望・人当たりです

定年後開業を否定する5つの理由(3〜5)

理由3:趣味と商売は別世界

理由1にも通じますが、趣味で料理がうまいからといってプロで通じると思うと大間違い。

プロの凄さはいつでも同じ味を提供できることです。

・食材の季節や産地による変化
・気温
・湿度

これらを考慮して、食べる人が同じ味に感じるように調整できるのがプロ。

逆にいえばこれらの要素に変化がなければ、いつも同じ味にできるのがプロ。

作るたびに微妙に味が違うのは所詮日曜クッカーです。

理由4:開業には綿密なサーベイが必要

最悪のパターンは都会暮らしが長いが、田舎に憧れて一所懸命金をためて一軒家を手に入れて蕎麦屋に改装したけど客がこない。

冷静になって場所を見渡したら、すごく田舎でこんなところに客がくるわけない….が時すでに遅し。貯めた金と退職金は消えてしまい貯金もはたいた。残るは暮らせるかどうかわからない公的年金だけ。

これで借金でもあったらもう超絶絶望的。

開業するには場所が適しているというのが最低条件です。

場所が辺鄙でも客が来てくれるような腕が定年開業した店主にあるわけがないです。

飲食業でも物販でもそれなりに適している場所がありますが、去年までサラリーマンをやっていたおっさんにそんなノウハウがあるはずもない。

理由5:資金計画の甘さ

開業して超絶運が良いことに商売が軌道にのっても黒字になるまでには相当な年数がかかり、それまでの赤字穴埋め資金も運転資金の一環として必要になる。まして、客がこないと黒字になるまで食うや食わず。

開業資金はどなた様も一応頭にはあるようで、1,000万円とか2,000万円は手元開業資金として用意している。

しかし運転資金はどうでしょうか?

損益分岐点は?

そこに至るまでの計画は?

飲食業なら食材の仕入れ、光熱費、家賃などは客が来ても来なくても出費として出て行きます。売り上げがなければその分運転資金から穴埋めするしかありません。それが数ヶ月で黒字化できるには年単位の月数がかかります。

運転資金に60万円/月必要で売り上げが20万円しか上がらなえれば、毎月40万円の補填が必要で年間で480万円、2年で960万円、3年だと1,440万円です。それだけの資金を開業資金とは別に、泡のように消えてしまうことを覚悟する必要があります。

次のページはパートナーの重要さについてです。

パートナー(配偶者)の重要さ

還暦で定年になっても人生まだまだですし、だからこそこのブログを書く動機にもなっています。

ネットでこんな記事を見つけました。

前ページで筆者がNOと書いたことにかなり反している気がします。

この記事では夫婦関係が問題になっています。

条件が整っていても開業に欠かせないのは夫婦の協力です。

理想的なのは、商売についての夫婦のゴールや目標が共通であること。

苦労があっても夫婦のゴールや目標が共通であれば、苦難を乗り越えるのに互いに批難の応酬ではなく、アイデアを出し合ったりして協力できます。

励まし合いもできますが、これははっきり言ってには毒にも薬にもなりませんがメンタル的に非常い大きいです。

上に挙げた記事にあったような例は最悪中の最悪。

パートナーに黙って準備を進めるなんて論外としか言いようがありません。

記事のように離婚したから年金は全部自分のものじゃないです。年金は結婚している間の分は共有財産とみなされて適切な割合を相手にもっていかれますし退職金も同様です。結婚してから稼いだ金は夫婦の共有財産であることをわすれてはいけません。

まとめ

定年後に開業は極めてデインジャラス。

ずっと会社の歯車でしかなかったビジネスパーソンが独力で開業するのは至難の業。

条件が整って開業見込みがあるとしても、その目標は夫婦共通であるのは絶対条件。互いに支えあってこそのパートナー。

次回は、中年男性こそ家事一切をできなければならないという話です。