Google Trendsを調べると「再雇用」と「みじめ」あるいは「悲惨」というキーワードで検索をかける人が多いようです。再雇用が悲惨かどうかは再雇用に対する会社の姿勢によって大きくことなりますし、それ以上に自分自身の業務能力が左右します。定年目前でそれを見極めるても手遅れなので、遅くとも定年まであと5年になったら勤務先の再雇用状況を見極めて、再雇用を選ぶか別の道を切り開くかを考えましょう。
再雇用が悲惨かどうかは先輩を見ればわかる
再雇用が悲惨だとかみじめだとかよく言われます。
これらは会社の再雇用に対する姿勢で大きく異なります。
法律の要求事項を満たすことが目的の再雇用制度
再雇用に関して高年齢者雇用安定法により、65歳未満の定年を設けている会社や法人は、希望する正社員全員について定年以降65歳になるまで雇用する継続雇用制度の導入が義務付けられています。
このケースの特徴:
- 再雇用を希望する人がほとんどいないか少ない。
- 再雇用で働く人がいきいきと仕事をしているようには見えない。
- 再雇用を希望した人は自部門ではなくすべからくどこか違う部門に消えていく(窓際部署という可能性大、社内の再雇用捨て部屋・掃溜部署)。
- 再雇用となった先輩から与えられた仕事について何一つ良い話を聞かない。
枚挙にいとまがありませんが、いうまでもなくこういう会社であれば再雇用を希望するべきではありません。
今から別の道に向けて考えましょう。
それどころか従業員を大切にしないことは明白なので今のうちに転職した方が良いです。
経験と能力が継続して必要とされている再雇用
再雇用の理想型です。
このケースの特徴:
- 継続して同じ部門で雇用されることが多く、周囲や上司から頼られている。
- 再雇用している間に後進育成を担うことが多い。
- 働いている再雇用者は給料にかかわらず仕事を楽しんでおり目がかがやいている。
こういうケースは定年後のキャリアプランが別にない限りは続けたほうが楽しいです。
仕事のやりがい:
- 会社で自分が必要とされていることが自他共に明らかである。
- 自分の仕事の成果を上司や会社がきちんと認める(=昇給ではない)。
要するに会社から必要とされ自分の仕事を上司や同僚が認めることで承認要求をみたされます。他者から認められることを欲するのは社会生活を営む人間にとって欠かせぬ欲求でありやり甲斐の源です。
いくら会社が再雇用に積極的でも、要らない人材は契約更新のときに雇い止めの理由になります。
すぐに代えが調達できるような人材は再雇用でも不要です。
ただし、やりがいのある再雇用終了した時の再雇用ロス対策が再雇用の間に必要です。
再雇用でも必要ない人材
以前にも当ブログで書いています。
一番使いにくいのは、定年直前まで管理職であり実務を全くわかっていない人です。はっきりって再雇用を希望していただきたくない人材です。
厳しい言葉ですが、これが管理職時代、役職定年時代そして再雇用時代を通じての素朴な感想です。
再雇用してよかった、筆者の場合
筆者は在職時代はSE、技術サポート、人材育成、計画部門スタッフを経験し、再雇用は計画部門スタッフとして5年間を過ごしました。
給与だけを見ればWebなどでたまに出てくる再雇用年収より少なかったのは明らかでした。これはフルタイムではなく週3日勤務だったことも大きな理由で、単純に考えて週5日の勤務の3/5になるわけです。
それでも楽しく仕事ができ、更新育成も行えて部門の業務には大いに貢献した自信があります。
57歳で役職定年してからは、マネージャーの肩書きだけはいただいておりましたが部下なしでマネジメント役割なしの事実上の担当者でしたので、担当者業務に1000年でき、それはそれで楽しかったです。
その後再雇用になったので、全く違和感なく業務遂行でき部門の役にたった自負があります。
いわゆる軟着陸ですね。
まとめ
定年5年ほど前になったら、このまま5年後にこの会社で再雇用に甘んじるのが幸せか、5年後にも貴方が必要とされているかどうかを、客観的に評価しましょう。
自分で自分を評価するのは至難の業ですが、もし今の貴方が管理職であるならば貴方が部下を評価するのと同じ基準で、今の貴方を部下の担当者の立場・仕事に置き換えて評価してみてください。
それで五つ星評価で星三つ以上を獲得できれば会社としてもいい人材だといえますが、星二つとか一つなら邪魔者で冷遇対象になります。今から5年の間に現場担当者力を鍛えるか、別の道を選ぶかです。