正社員としての定年は5年近く前に迎えておりました。それから同じ職場で再雇用しガッツリ?仕事をしておりましたが、光陰矢のごとし。再雇用も終了を迎えます。
退職願・退職届・辞表の違い
この3つはよく聞く言葉ですが果たしてどれくらいの方が正しく意味を理解しているでしょうか?
ちょうど良い機会なのではっきりさせておきましょう。
退職願
退職する意思を明らかにすることです。具体的には会社と自分の間で締結している労働契約の解除を申し出ることです。ドラマではこの上の写真のようなものをよく見かけますね。そして中には一身上の都合により….と書かれていたり。
退職願を出せば退職できるわけではないです。あくまで労働契約解除の意思表示です。一般に書面でなければならないという決まりはなく口頭でも良いのです。ただし会社や組織により所定の様式があったりなどの決まりがありますのでそれに従う必要があります。
繰り返しますが「退職願は労働契約解除の意思表明であり、退職願を出したから退職となる(労働契約が解除される)わけではない」ということです。
上司や会社(人事)と相談して退職日を決めた上で退職願(口頭または書面)を出すことになります。口頭の場合だと相談しながら決めるということもあるかもしれません。
定年退職や再雇用満了の場合の退職は、自分で願い出なくても労働契約は期日が来たら自動的に解除になるため退職願は不要です。
退職届
退職願を出してそれに会社が合意すれば退職手続きが進みます。
そのための手続き書面が民間企業では退職届になります。大企業では通常は所定の様式が定められていて、個別に人事部門から取り寄せる必要がある場合が多かろうと推測します。
筆者は転職・定年・再雇用終了(正確には一歩手前)で退職届を出していますが、いずれも会社所定の様式があり、それは上司(通常は部長クラス)経由で人事部門からとり寄せる必要がありました。
現実には退職届が上司経由で人事部門に提出されそこで決裁されて初めて退職が成立するのが通例だと思います。日本の会社は上司が「お前は首だ!」といっても解職できません。人事部門が人事規定に則り所定の手続きを経て初めて退職(あるいは解職)が成立します。
辞表
もう一つ、よく聞く言葉が辞表。
これは退職願や退職届とはちょっと違います。退職願・退職届は労働契約解除の意思表示とそのための手続きでしたが辞表は、雇用関係にはない人、具体的には役員とか社長とかいった経営層がその役職を辞するときに提出するものです。
成り行きによっては、辞表を提出して経営役割を辞し、そのあとあらためて社員として雇用契約を結び働くこともありますが、傍目には役員から社員に降格と映ります。
公務員の場合は退職届ではなく辞表を用いると聞きました。
契約満了による退職
定年退職や再雇用の満了(まだ多くの会社は定年後5年間だと思います)の場合は、先のとおり自ら願いでる必要はなくて、時が来れば自動的に人事部から退職届の用紙を含む各種手続き案内がくるかと思います。
喧嘩別れではなく一種の円満退職であります。
送られてきた退職届をはじめとするいろいろな書類を書いて出せば良いのです。
筆者の場合は正規の再雇用契約満了の一ヶ月前退職(これはまた機会をあらためて説明します)ですので、契約満了ではなく自己都合による退職になりますので、
「退職願(口頭で上司に話をした)→退職届(人事部門所定様式)→退職」
となります。
再雇用は多くの場合年間契約で毎年契約更新のケースが多いと思います。
この場合、更新時期が近づくと人事部門から自動的に更新手続きが送られてくるので、これに同意しない=退職願と同義になりその契約年度をもって退職手続きへと進むはずです。
退職後の健康保険の話
避けられないのが健康保険の手続き。
退職日から間をおかず再就職する場合は新しい勤務先に健康保険があればそこに加入しますが、それがない場合や就職しない場合は状況により対応が異なります。
- 生計を共にする配偶者が働いている場合はそちらの扶養家族になる。おそらくこれが一番安上がり。
- 勤務先の健康保険組合に任意継続制度(最長2年間)があればそれに加入する。扶養家族がいる場合はこれが安上がり。
- 国民健康保険に加入する。健康保険上の扶養家族がいない場合、新しい勤務先に健康保険制度がない場合はこちらになります。
次回
筆者は人生最後の退職届を出し、通勤しなくてもよくなる日も近いです。
次回は人生最後の退職手続きをしている(現在進行形)ときの思いなどについて触れたいと思います。