本ブログの読者であろうシニア〜高齢者世代の方が、転職あるいは定年後の再就職先を探すにあたっていくつかポイントがあります。今回はそのポイントについて紹介しましょう。
適職を見つける
以前「天職」の話を書きましたが、この「天職」を「適職」と読み替えてよいでしょう。
嫌いなことを好きになるのは容易ではないしやる気もおきません。社会から求められてもいないことを社会の求めさせるのは個人の力では不可能です。
好きだしニーズもあるけど自分のスキルや知識に自信がないのであれば、勉強する・資格を取るなどがその次のステップとなります。
業種と職種
職を考えるうえでもう一つ別の切り口があります。
それが「職種」と「業種」です。
同職種・同業種はすなわち今の仕事の延長線にあり、それまでの知識と経験が活かせる反面飛躍がないので安全牌でつまらない面があります。自分の進歩を感じることが少ないので飽きてしまう危険性があります。
同職種であるが異業種というが次の選択肢になるでしょう。経理分野であれば業種が違ってもその業種独自のことを覚えるだけで、経理の基本は変わりません。
同業種であるが異職種というのは人事ローテーションに近いものがあります。若いうちならいいですがシニアでは少々辛いかもしれません。同じ会社で今まで技術畑だったシニアがいきなり営業畑にいくようなものです。
最後は異業種・異職種です。シニアにとってはかなりチャレンジングだといえます。すごく極端な例ですが、例えばいままで食品会社の営業をしていた人が、IT系の会社でシステム構築を始めるようなもので、それまでの経験・知識はほとんど役に立ちません。当然新しい世界では自分より圧倒的に若くて圧倒的に知識と経験のある若者がいるわけです。受け入れる方にしても知識も経験もないしシニアとなれば積極的に雇うメリットがなにもありません。シニア・中高年ではこのエリアは排した方が良いです。
雇用される立場と雇用する立場
雇用される宮仕の立場と起業して雇用するという一国一城の主の立場です。起業はたとえ一人社長であっても雇用する立場になります。
会社勤め一筋の人が、いきなり蕎麦屋なんてできるわけがなく、通常は蕎麦屋で働いて技を学んで人脈を作り開業するわけですね。
雇用する立場にになるには、大きな責任とリスク(主として金銭的なリスク)が発生し、それは雇用される立場とは全くスケールが異なるものです。
最終的に起業を考えるならば若いうちからの仕込みが必要です。50になって何の下地もなく唐突に思いついて人脈も知識も乏しい状態で起業しても借金を抱えて家族共々路頭に迷うか、離婚されて家族から見放され段ボールハウスで寝るようになるかもしれません。
まとめ
適職を見つけること、業種・職種をどうするかを考えること、雇われている立場を続けるか一念発起起業するかが職選びのポイントである。
今の年齢と家族における自分の責任、現在の純資産(流動資産ー負債)からみた生活設計などで総合的に考えるべきであり、夢に溺れてはいけない。リアリストになれ。
ある意味、年金だけで生活できる目処が立っている人のほうが職の選択の自由度は高いとも言える。